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いろいろな世界遺産を詳しく解説!

シエネの歴史地区(1995年 登録基準(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ) イタリア共和国

<歴史的背景>

トスカーナの丘陵地帯に位置するシエネでは、12世紀に市民による政治組織「コムーネ」が成立し商業、金融業の中心となる自治都市として発展した。それ以降、銀行家など大商人からなるコムーネが数百年の間政治をおこなった。シエネの北68㎞先には、同じように金融業で繁栄した都市国家フィレンツェがある。フィレンツェとシエネは商業による利権や領地などをめぐり、たびたび争ったが14世紀に起こったペストの大流行によって様相が変わる。シエネではペストの影響により10万人だった人口が3万5000人まで減少した。その結果16世紀中頃にフィレンツェに合併された。

現在でも中世の歴史的建造物がほぼ当時のまま残っており、シエナの代表的なイタリアゴシック建造物「ドゥオーモ(大聖堂)」がある。建設が始まったのは12世紀半ばで、大聖堂が完成したのは、なんと200年以上も後の1382年である。そう考えると建設が始まった頃にいた人たちは完成した姿を見ることができなかったのだ。世界で最も美しいと賞賛された「カンポ広場」には、14世紀に完成した高さ102mにも及ぶ「マンジャの塔」おもつゴシック様式の市庁舎などが立ち並ぶ。

 

<観光スポット>

  1. ピサの斜塔
  2. ピッコーミニ家の図書館
  3. 国立古文書館・博物館
  4. サンタ マリア デッラ スカラ救済院

1.ピサの斜塔1173年に着工され、高さは約55mの大理石でできた八層の塔で建設中に地盤が沈下し、そのまま工事が続けられたため完成したのは14世紀後半。現在も傾き続けており、南に70センチほど傾いているそうです。またお金を払えば塔の最上階まで登ることができるようなので、訪れた際はぜひ登ってみて下さい。

2.シエナ大聖堂内の左手にあるピッコーミニ家の図書館は、ローマ法王ピオ2世の蔵書のためにローマ法王ピオ3世がつくったものです。壁から天井まで色鮮やかにピントゥリッキオのフレスコ画の数々が豪華に描かれていて迫力があります。

3.国立古文書館はバンキ・ディ・ソット通りにあるピッコローニ宮殿内にある。ルネッサンス様式の建物で、中庭左手の奥に入口があり、階段で4階までのぼります。展示物にはシエナ共和国の時代の重要な書物や、貴重な古い文書などが展示されています。また、訪れる際には開館が主に午前中のみなので注意が必要です。

4.シエナ大聖堂前の広場に建つ有名な建物で、ルネサンス期には、孤児、貧者などのための救済院でしたが、現在は美術館になっています。ここはヨーロッパで最古の病棟建築だそうです。広い建物内には、美しいフレスコ画や、スカラ救済院の出来事を描いた絵、昔の医療器具なども展示されていて、ガイアの噴水、礼拝堂、ホールなどがあり、歴史を感じられ見応えのあるスポットです。

 

(登録基準ⅰ人類の創造的資質を示す傑作 ⅱ建築や技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展において、ある期間または世界の文化圏内での重要な価値観の交流を示すもの ⅳ人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または化学技術の総合対、もしくは景観の顕著な見本)